for PROFESSIONAL
技術開発において視野を広く持つことの大切さを痛感しました
事業工場 技術開発部
技術グループ 第一チーム
チームリーダー
小嶋 佑介
2007年入社
機械工学科卒業
YUSUKE KOJIMA
WORK STORY
人 × 技 術
入社から現在までのキャリア
大学で機械工学科を専攻。研究室で工作機械を使った加工を依頼した経験から、工作機械関連に興味を持ったこと、そしてUターン就職を考えていたことから関東精機に入社。まずは1年半、製造部門での実務研修で当社のモノづくりの基本を習得し、設計・開発を担当する技術グループに配属になった。技術グループでは、主にモノづくりの要と言われる金型等の製作に使う工作機械用の「オイルマチック」の開発を担当している。
CHALLENGE
量産で加工精度が出ない問題に直面し、生産現場に急行
私たちのブランドを支えるブランドのひとつが、工作機械に使われる冷却用オイルを高精度かつ高応答性で温度制御する「オイルマチック」です。これまで他社が簡単に真似できない技術の開発にチャレンジ。±0.001という超高精度制御や複数の冷却部位を制御するマルチ制御を実現してきました。標準品はありますが、ほとんどの場合、お客さまの細かい仕様要求に応えカスタマイズしていくのも、当社の大きな強みになっています。
そのため、ときには困難な課題に直面することもあります。実際、いまでも思い出すのは量産用の新しい工作機械の「オイルマチック」を手掛けたときのことです。テスト稼働では仕様どおりの精度で加工できたのですが、納品して量産を始めると精度が出ないといった問題が起きたのです。お客さまの依頼で、現場に急行し調べましたが、その場ではお手上げ状態。課題を持ち帰って、原因を詳しく調査することになりました。
SOLUTION
プレッシャーのかかる中、試行錯誤の連続で根本原因を究明
問題点として見つかったのは、オイルマチックによる温度制御が仕様の範囲に入っていないことでした。しかし、本当に大変だったのはここから。問題点が見つかっても、その根本原因がわからなければ改善のしようがありません。なぜ、制御がうまくいかないのか。なかなか原因がわかりませんでした。
当社の温度制御は、オイルの流れる円筒の中にコイル管を配置して冷媒を流し、オイルと熱交換を行う方式を採用。オイルの温度をセンサーでチェックして、コンプレッサーの周波数や冷媒の流量等をコントロールしています。業界をリードする企業の責務として大きなプレッシャーがかかる中、試行錯誤を繰り広げることになりました。結果、判明したのはセンサーの位置でした。出口近くに設置していたため、油温のブレをセンサーが拾って必要以上に制御しようとして、返って温度のブレを大きくする悪循環に陥っていたのです。
原因を探り当てるのに時間を要したのは、視野が狭くなったためです。一歩引いて考えることの大切さを知り、その後の成長につながりました。